歩いてんDo好会 今村 恵美子さん



 

 

  昭和20年、島根県松江市生まれ。
 出産を機に勤めていた大学を辞め、専業主婦となり子育てに専念。約30年前、当時住んでいた福岡市東区では、博多湾に人工島建設が計画された。計画地の背後には、国際的に貴重な和白干潟が広がっており、子育てをする中で環境問題への関心が高まったことから、地元住民などで組織する自然保護団体「和白干潟を守る会」の会員となる。その後、生協役員を経て、地元住民の声を市政に届けるため、当時2名しか女性議員がいなかった福岡市議会議員となり2期8年を務める。その間も自然保護活動を続け、議員退任後は「和白干潟を守る会」の事務局としても活動している。10年前に古賀市に転居し、活動を続けるためには体力づくりが必要であると思い、ウォーキングを始めたことがきっかけで「歩いてんDo好会」に参加することとなった。現在4代目の代表を務めている。

 

 「歩いてんDo好会」は、古賀市主催の市民ウォーキングイベントにボランティアとして参加していた人たちが、市民主体で健康づくりに最適なウォーキングを気軽に楽しむ機会をもっと広げたいという思いから、平成26年に立ち上げた同好会。メンバーは初心者からベテランまで15人ほどで、60~70歳代の方が元気に楽しく活動している。主な活動は、古賀市が2ヶ月に1回のペースで開催するウォーキングイベントの運営ボランティアで、事前準備から当日の運営までを支えている。また持ち込み企画など独自のイベントも開催している。

 今村さんは、10年前、古賀市へ引っ越してきたときに体力づくりのためウォーキングを始めた。最初は自分で歩くだけだったが、やる以上はきちんと講座を受けようと、市のウォーキング講座に参加した。これをきっかけに「歩いてんDo好会」の活動を始めていく。
 「歩いてんDo好会」のメンバーは、あまりお互いの経歴を知らないが、みんな人付き合いが上手で、経歴に関係なくおしゃべりをしながら楽しくウォーキングをしている。今村さんは、「生活に身近なところでずっとボランティアをやってきました。ボランティアとは思わず楽しいことをやってきて、それが形になっていくのが嬉しい。」という。ウォーキングイベントでは、最初から最後まで、みんなで相談して取り組んでやっていけることにやりがいを感じているそう。
 楽しく活動しているが、「歩いてんDo好会」はただの同好会とは違うという。古賀市には、健康づくりを目的に市が設定した「歩いてん道」という、9つのウォーキングコースがあり、「歩いてんDo好会」は、このコースを中心に行われる、市民参加のウォーキングイベントを運営しているという責任がある。耳が痛くなることも言われるが、しっかりと反省会をし、参加者の気持ちにならないと活動は広がらないと、みんなでよく考えている。また、メンバーそれぞれがウォーキングや準備運動などの知識を学ぶ研修会にも積極的に参加している。
 「引っ越してくる前は、古賀市は田舎というイメージでしたが、ウォーキングをしていると知らなかったところが見えてきました。海、山、川が豊かで、のんびりしていると感じ、この自然を守っていきたいと思うようになりました。」と今村さん。いろんなところに出掛けて、いろんなものが見えてくると活動も広がり、今村さんは、市の条例策定や景観計画策定の委員なども務めるようになった。「活動を通じて得たものをみんなに返していきたい。例えば市が作成する冊子などにもウォーキングの現場で気づいたことを、意見を出して反映させていきたい。ウォーキングをしながら楽しいだけでなく問題意識を持ち、歴史や自然が豊かなことを知らない人に伝えていきたい。」と思いを語ってくれた。

 取材では、2月3日(土)に開催される市の「歩いてん道ウォーク」のコースの下見に同行させてもらい、それを踏まえた企画検討会の様子を見学させてもらった。今回のイベントは、薦野地域で活動している「薦野の歴史をつなぐ会」と「こもの歩こう会」がウォーキングコースの案内と地域の歴史を紹介し、「歩いてんDo好会」が参加者の安全確保などのサポートをするという、地元の方たちと連携したものだった。
 下見の日は、この冬一番の寒波が到来し、時折雪が舞う中、地元の方たちとメンバーは、参加者に紹介する場所や道路の横断場所など熱心に確認していた。コースの下見をしながら、何人かに活動を始めたきっかけを伺ってみた。ある男性は、奥さんを亡くされ家にこもりがちだったところ、お孫さんたちから外に出ることを勧められ、市の様々な講座やグランドゴルフに参加し始め、昨年5月から「歩いてんDo好会」に参加したとのこと。今の活動はとても楽しいそうで、心配してくれていたお孫さんには、「もう大丈夫だから、自分のことを考えなさいと言えるようになりました。」と生き生きとした表情で話してくれた。きっかけは様々で、定年退職後すぐに体調を崩し半年ほど休養していたが、元気になり何か活動したいと思って参加したという女性、市のウォーキング講座に参加し、担当者の勧めもあって今の活動につながったという男性などもいた。「薦野の歴史をつなぐ会」の方にも話を伺った。子どもの頃にはぼんやりと「あそこに山城があったげな」、「戦国時代にここで戦があったげな」としか知らなかった地元の歴史を定年退職後に仲間達と勉強し始めたそうで、地域の子どもたちにつなげていきたいと言われていた。また、一つの活動に参加すると人脈が広がっていき、別の活動にも参加するなど、とても充実しているという声も聞かれた。
 後日行われた企画検討会でも、参加者の安全を確保するための議論に長い時間が割かれ、メンバーそれぞれが積極的に発言していた。実際にコースを歩く下見にしても、企画検討会にしても、とにかくメンバーの方たちは熱心で、それ以上に楽しそうだった。「できるときにできることを」、「できることを楽しんで」、今回の取材でメンバーの方たちから聞かれた言葉は、楽しんで活動し、長続きするための合言葉のように思えた。
                 
 

 歩くとよく分かります。街のことが分かる。自然のことが分かる。大切にしよう、人に伝えようという気持ちになります。グループに入らなくても気軽に参加してもらいたいと思います。

 

 連絡先:歩いてんDo好会
     今村さん 090-3413-6443