NPO法人がんばりよるよ星野村  山口 聖一さん





 

   67歳 星野村(八女市大字星野村)生まれ。中学まで星野で育つ。村内に高校はなく、高校から親元を離れ下宿をする。子供のころは、品行方正で元気者。趣味は、父親に教えてもらった風景写真を撮ること。
 大学を経て、横浜市の会社に就職。勤務先は海外が長く、仕事を通じ世界各国の人たちとコミュニケーションをとった。忙しく、また充実した日々を38年間過ごした後、セカンドライフは親が住む星野村で暮らすと決めた。
 平成24年7月横浜から星野へ荷物を一部運びいれたとき、九州北部豪雨に遭う。
 


  「セカンドライフは、夫婦で田舎暮らしと決めていました。私は、カメラが趣味で九州の風景をたくさん撮りたかったし、横浜出身の妻は、九州の史跡巡りを楽しみにしていました。」
  平成24年7月5日、横浜市から引っ越しのため荷物の一部を星野へ運びいれた9日後の7月14日、九州北部豪雨の被害に遭う。セカンドライフは、予想外の激甚災害からのスタートだった。濁流や山崩れの被害で星野村のいたるところの道路が崩壊し、孤立状態になった。帰省中の星野の自宅は浸水し、母が生きがいとしてやっていた畑も、完全に土砂に飲みこまれた。
   7月23日に被災した家財を片付け、いったん横浜に戻った時、驚く事実に直面する。「星野村の状況が知りたいのに、どこにもその情報が流れていない。星野村村民のほとんどが被災し、孤立した状況の中で自力復旧は難しいのに。」危機感を感じ、個人で星野の現状を伝えるSNS(インターネットを利用したコミニケーションツール)を立ち上げ、星野の現状を発信し続けた。
  同8月末、住居の復旧が進み、ボランティアの受け入れをしていたボランティアセンターが撤収された。
「自宅の復旧が一番大事なのは分かります。でも、うちの親は、楽しみである畑をなくし、すっかりふさぎがちになり、健康を害しました。星野村は高齢者が多く、周りには同じような方たちが沢山います。山間地の被害は、自宅だけでなく田や茶畑等の復旧も大事であると感じました。」 
  被災状況の取材で知り合ったボランティアのみんなから「星野村の被害は大きい。ボランティアの受け入れ窓口さえあれば、私たちはいつでも支援活動に来るのに。私たちは星野村の復旧にこれからも携わりたい。」との声が寄せられるようになった。
そのような中、SNSに被災状況写真を投稿するため、星の花公園に登った時、公園の草取り中の男性に出会う。「9月にダリア祭りをする予定だった。被災してしまったけど、こんなときだからこそ、是非、地元のみんなに喜んでもらいたいと思って整備をしている。」星野村の観光地でもある『星の花公園』の社長だった。その言葉に共感し、秋のダリア祭りの開園に向けた支援をしていこうと決めた。花公園では水のタンクや給水路が壊れ、作業は難航したが、毎日ボランティアの方が来てくれたおかげで、無事9月14日開園の目途がたつと、花公園だけでなく、被災した『茶の文化館』も応急工事をして、同日開園した。
  同11月、八女市役所星野支所との協力体制もでき、「星野村災害ボランティアセンター」として農地復旧と観光復興を二本柱に、災害復旧支援活動を続けた。『日本の棚田百選の広内・上原地区棚田』も取水用の谷が崩壊して大きな被害を受けていた。石積みは江戸時代に造られたもので、星野村の風景の原点でもあり観光スポットの目玉でもある。この棚田の復旧を強く願っていた時、ちょうどボランティアに来ていた県立長崎大学の学生と知り合い、平成26年から、IVUSA(国際ボランティア学生協会 International Volunteer University Student Association)と、設立したばかりの「NPOがんばりよるよ星野村」との共同で復興支援活動をすることとなった。護岸や灌漑工事が終わってない中、試験的に平成27年、平成28年と棚田137枚のうち3枚だけ田植えをしたが、取水の困難や漏水などでまだまだ災害以前のような収穫には程遠い。
   平成29年5月、行政による水利工事が完了。これからが田の本格的な復旧のスタートとなる。同6月26日、棚田保存実行委員会とNPOが主体となって地元の小学生の田植えの体験会をやった。この体験会の為に小学校で1時間、棚田についての勉強会もした。
「狭い土地で少しでも多くの米を収穫できるよう、江戸時代の人が棚田の石積みを上部に行くにつれ広くなるよう積み上げてあるんです。このことを話すと子どもたちはすごく興味を持ってくれたんですよ。」と山口さん。
この体験会は、「災害から5年目の棚田の復活」という事でNHK福岡をはじめ報道機関が5社も来ていた。体験会に参加している小学生の中には、都会からの「山村留学生」もいて、泥んこになりながら田植えを楽しんでいた。   
 「星野はもう元気になりました。これからは、多くの方に星野を楽しんでもらえるようなことを考えていきたい。例えば、放棄された土地を活用したゆずやブルーベリー狩りなど。こうやっていけるのも、みんながいるからできることです。日々、感謝しています。」この日は、体験会のお手伝いのため、鹿児島から3時間かけて来た会員もいた。


   *田植え体験会。
    泥んこになりながら、みんな田植えを楽しみました。

 

   ボランティア未経験の方で、参加しても何もできないのではないか、参加しても迷惑をかけるのではないか等、ご不安な方もいらっしゃいますが、心配はいりません。
団体のペースで動く必要もありませんし、その場その場で、自分ができることを自分のペースでやっていただけたらと思います。
   まずは、肩に力を入れず、第一歩を踏み出してください
 


 八女市役所星野支所1階 
 電話:0943-24-8353
 SNS URL:  https://www.facebook.com/hoshinosien

 
 
   * NPO法人 がんばりよるよ星野村のみんなと